それ、本当にヒメスズメバチ?大きな蜂の特徴・見分け方・危険性
ハチの巣駆除出張専門館
スタッフの山中が分かりやすく教えます!
「うわっ!めちゃくちゃでかいスズメバチがいる…!これがヒメスズメバチ?」
「ヒメスズメバチって見た目が怖いけど、性格も凶暴なの?」
「ヒメスズメバチは虫を食べてくれるっていうけど、巣を見つけたら放っておいていいの?それとも駆除するべき?」
アシナガバチのいるところに寄ってくる「ヒメスズメバチ」。 かわいらしい名前をしていますが、実はスズメバチ亜科の中で2番目に大きな体をしています。
この記事では、見た目が怖いヒメスズメバチの生態と危険性、対策について紹介します。 具体的には…
- ヒメスズメバチってどんな蜂?
- 大人しい性格っていうけど、駆除するべき?
- どんな巣を作るの?
- 何を食べて生活するの?
このような疑問に回答していきますよ!
ヒメスズメバチは、蜂の中でもっとも危険なオオスズメバチと見ためがよく似ています。
この記事を読み終わるころ、あなたはヒメスズメバチの特徴・生態を知りつくし、屋外で見つけても慌てず冷静に対処できるはずです。
それではまいりましょう!
▼「今すぐヒメスズメバチを駆除してほしい!」という方は、ハチの巣駆除出張専門館におまかせください! ベテランの職員が速やかにハチの巣を駆除します。
ヒメスズメバチってどんな蜂? 意外と知らない基本情報
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ヒメスズメバチ | |
---|---|
学名 | Vespa ducalis(ベスパ・ドゥカリス) |
大きさ | 女王バチ:32〜35mm 働きバチ:25〜33mm 雄バチ:27〜35mm |
営巣時期 | 6〜9月(短期営巣) |
営巣場所 | 土の中、樹洞、人家の屋根裏、壁の間などの閉鎖空間(巣は小さめ) |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬 |
エサ | アシナガバチ、ミツバチ、コガネムシ、バッタ |
全長3cmもあるなんて、ほんとうに大きなハチなんですね。
その通り! ヒメスズメバチは、スズメバチ亜科の中でも2番目に大きな蜂なんです。(1番大きな蜂はオオスズメバチ)
ヒメスズメバチは、黄色の頭部に黒い腹端(毒針が出る部分)をもつ、大きな蜂です。
胸部の背面と腰の近くに赤い縞模様があることも特徴的ですね。
凶悪な見た目から、怖い印象を持つ人が多いです。 そんなヒメスズメバチの性格を見てみましょう。
ヒメスズメバチの性格は?知っておきたい危険性
↑ヒメスズメバチ(左)とオオスズメバチ(右)
ヒメスズメバチはその大きさに反して、非常に大人しい性格をしています。
もし見かけても、こちらから刺激しなければ率先して刺してくることはないでしょう。
攻撃性、毒性ともにスズメバチ亜科の中でもっとも弱く、被害報告も少ないです。
「庭のコガネムシやバッタを食べてくれるので、駆除しなくてもいい」という人もいます。
【注意】 ヒメスズメバチは「まったく危険ではない」わけではない!
しかし、いくら大人しいといっても、それはあくまで「スズメバチ亜科の中では」の話。 たとえヒメスズメバチでも、1度敵として認識した相手には、強い威嚇行動をとります。
大顎をカチカチと鳴らして、まとわりつくように威嚇するので、恐怖を感じる人もいるでしょう。
「庭で蜘蛛の巣を払っただけなのに腕を刺された」という被害報告もあります。
なんにせよ、巣を攻撃すれば確実に攻撃されますので、間違えて触らないように気をつけましょう。
また、スズメバチの中で最強と言われるオオスズメバチは、ほかのスズメバチの巣を攻撃して幼虫を食べる性質があります。
えっ、怖い! つまり、ヒメスズメバチも狙われるってこと?
そう。 ヒメスズメバチが大人しいからといって放置していると、オオスズメバチを寄せ付ける原因になりかねません!
おうちでヒメスズメバチを見つけたら、すみやかにプロの蜂駆除業者に相談してくださいね。
間違えやすい!ヒメスズメバチとオオスズメバチの見分け方
「殺人バチ」と呼ばれるオオスズメバチは、ヒメスズメバチと大きさも見た目もよく似ています。 そんな2種類の違いはこちら。
ヒメスズメバチ | オオスズメバチ | |
---|---|---|
大きさ | 大きいもので3.5cm | 大きいもので4cm |
全体 | 黄色と黒色。
胸部に近い腹部の境目に赤色の縞がある。 |
赤みがかったオレンジ色と黒色 |
頭部 | 体に対して小さい | 大きい |
腹端 | 黒色 | 黄色 |
もっとも見分けやすいのは、腹部の先端(毒針を出す部分)の色です。
「ヒメスズメバチは、腹部の先端が黒い」と覚えてくださいね。
温厚な性格のヒメスズメバチに対して、オオスズメバチは性格が攻撃的。
毒の威力も強く、蜂の中でも危険性がダントツで高いです。
この2種類を間違えると大変なことになりますので、注意しましょう。
続いては、ヒメスズメバチの巣について紹介します。
ヒメスズメバチの巣はとても小さい
ヒメスズメバチの巣は、他のスズメバチと比べてとても小さいです。
どれぐらい差があるか、次の表を見てみてください。
育房数 | 個体数・働き蜂 | 巣盤の数 | |
---|---|---|---|
オオスズメバチ | 3000〜6000 | 100〜500 | 4〜10 |
ヒメスズメバチ | 200〜300 | 10〜50 | 3〜4 |
コガタスズメバチ | 150〜800 | 50〜150 | 2〜4 |
キイロスズメバチ | 500〜10000 | 300〜1200 | 4〜10 |
出典:『スズメバチの逆襲』著:中村雅雄
ヒメスズメバチの巣1つあたりの働き蜂は約30匹前後と少なめ。
そして巣のサイズは、ピーク時の9月でも子どもの頭ほどの大きさ(直径20〜50cm前後)しかありません。
いっぽうオオスズメバチやキイロスズメバチの巣はというと、ピーク時の10月には直径80cm近くまで成長します。
そのような巣と比べると、ヒメスズメバチの巣は小じんまりした印象を受けるでしょう。
ヒメスズメバチの巣は駆除しにくい?
ヒメスズメバチの巣は、土の中、樹洞、人家の屋根裏、壁の間などの閉鎖空間に作られます。 このような巣は駆除しにくいと言われています。
狭い場所でスズメバチにいっせいに襲われると、逃げ場がなく、刺されるリスクが高くなります。
自力駆除できる巣はどんな巣かというと、「はしごが必要ない」「開放的な場所にできた」「アシナガバチの巣」です。
まずは巣の場所を突き止めよう
庭や玄関先でヒメスズメバチを見つけたら、静かに目で追って、どこに帰っていくか調べてみてください。(近付きすぎると威嚇されるので、3メートル以上離れたところから)
もしもヒメスズメバチが地中に帰っていった場合。
ヒメスズメバチの巣は、地中のさらに1メートルぐらい奥に巣を作ることが多いです。
地中深くの巣は取り出すのが難しく、プロでもベテランの技術が必要です…。
「手の届かない場所に巣ができている…」
「どうしても巣の場所がわからない…」
こんなときは、すみやかにプロの蜂駆除業者に依頼してください。
ベテランのハチ駆除職員が駆けつけ、蜂の巣の場所・規模を現地でお調べいたします!
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📞: 0120-610-456
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続いては、ヒメスズメバチの巣作り時期と食性についてお伝えします。
ヒメスズメバチの活動時期
ヒメスズメバチは、他のスズメバチよりも遅い6月から巣作りを始めます。
ヒメスズメバチの活動時期は、他のスズメバチよりも短いんだね。
その通り!この背景には、ヒメスズメバチの食事に深い関わりがあるんです…。
ヒメスズメバチは何を食べる?
ヒメスズメバチが食べるのは、アシナガバチやミツバチ、コガネムシ、バッタ、樹液など。
とくにアシナガバチの幼虫を好んで食べます。
ヒメスズメバチは、アシナガバチの巣を襲い、幼虫とサナギをかみつぶして体液だけを吸い取ります。 そして吸い取った養分を巣に持ち帰り、幼虫に分け与えるのです。
アシナガバチの個体数が増えるのは、6〜8月の春から夏にかけて。
そう、ヒメスズメバチの巣作り期間は、1番の栄養源であるアシナガバチの活動時期に合わせているのです。
ヒメスズメバチはどうしてアシナガバチを好んで食べるようになったの?
↑アシナガバチの個体と巣
ヒメスズメバチは、アシナガバチしか食べないわけではありません。
コガネムシやバッタ、ときには蛾を食べることもあります。
いざというときは、勢力の衰えたコガタスズメバチやキイロスズメバチの巣を襲うことも。
それでもとりわけアシナガバチを好んで食べることについて、日本応用動物学会会員の中村雅雄氏はこのように述べています。
もともとはほかの昆虫もエサにしていたのだろうが、進化の過程でアシナガバチを専門とすることで生き残りをはかったのではないかと思われる。
出典:『スズメバチの逆襲』49p 著:中村雅雄
ヒメスズメバチの頭部は、体の大きさに対して小ぶりですよね。
このように小さな頭だからこそ、器用にアシナガバチの育房からサナギや幼虫を引きずり出せるのです。
ヒメスズメバチはアシナガバチの巣を何度も襲う
1度ヒメスズメバチに目をつけられたアシナガバチの巣は、長期にわたってエサの供給源となります。
アシナガバチの成虫はあえて殺さず、次の幼虫を育てさせるのです。
アシナガバチはなすがまま、ヒメスズメバチに食べられるために子育てを続けます。
このように定期的な栄養源になるので、アシナガバチはヒメスズメバチにとって非常に都合がよい存在なのです。
ヒメスズメバチは何に寄ってくる?
↑ヤブガラシの花とヒメスズメバチ
ヒメスズメバチは、ヤブガラシの花の蜜やクヌギの樹液に寄ってきます。
ヤブガラシってどんな植物?
「ヤブガラシ」は、ブドウ科ヤブガラシ属の雑草です。
名前の通り「たとえ藪でも枯らしてしまう」ほど生命力が強く、あっという間に他の植物を覆い隠すように葉を広げるのが特徴です。
庭の壁伝いやフェンスに1〜3メートルものツルを絡め、驚異的なスピードで成長します。
北海道から沖縄まで幅広く生育し、4〜10月にかけて繁殖します。
花の時期は6〜9月ごろ。
スズメバチだけでなく、蝶やアブ、ムカデもヤブガラシが大好き。
ヤブガラシの根は長く強靭なので、根こそぎ取り除くのは骨が折れます。
もしも庭や畑にヤブガラシを見つけたら、繁殖する前の春先に取り除きましょう。
ヒメスズメバチに刺されないために!効果的な対策
お伝えしたとおり、ヒメスズメバチは甘い蜜の匂いに惹かれて寄ってきます。
屋外を散歩するときは、とくに次の3つに注意しましょう。
- 【匂い】匂いの強い香水や柔軟剤は避ける。(花の香りはとくに注意)
- 【服装】ピッタリした、白い服を着用する。(ヒラヒラした黒い服は厳禁)
- 【行動】静かに3メートル以上離れる。(大きな動作をしない、大声を出さない)
スズメバチは視力が弱いぶん、フェロモン(匂い)で情報を送りあっています。
知らずしらずのうちに匂いでスズメバチを引き寄せないよう、汗や整髪料、香水、洗剤、そしてお庭の花の匂いにはじゅうぶん注意してください。
「そうはいっても、大好きなガーデニングをやめたくない」
「対策をしても、何度もヒメスズメバチを見かけて困っている」という方へ。
あらかじめ蜂の嫌いな匂いを撒いておけば、ヒメスズメバチ対策になりますよ!
こちらの記事で、効果的なハチ対策を紹介しています。 あわせて読んでみてください。
▶蜂のキライなにおいでバシッと撃退!オススメ蜂よけグッズ(別の記事が開きます)
まとめ
ヒメスズメバチの生態と巣作り、対策について紹介してきました。
ここまでの内容をまとめましょう。
- ヒメスズメバチは蜂の中で2番目に大きい
- 大人しい性格で、被害報告も少ない
- アシナガバチの幼虫やサナギを好んで食べる
ヒメスズメバチは、アシナガバチや他のスズメバチがいるところにやって来ます。
ときには、そんなヒメスズメバチに誘われて、オオスズメバチが飛んでくることも…。
「ヒメスズメバチは危険じゃないから」といって放置していると、いつのまにか昆虫界の食物連鎖が起きていて、家の周りが蜂だらけになっているかもしれません!
蜂に刺されないためにもっとも大切なのは、大きくなる前に巣を取り除くこと。
もしもヒメスズメバチの巣を見かけたら、すぐにお近くのハチ退治業者に問い合わせましょう。
効果的な蜂よけのアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談くださいね。
正しい蜂対策をして、ブンブンとう不快な蜂の羽音がしない、ステキなお家を目指しましょう。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
『ハチの巣駆除出張専門館』の山中がお送りしました。